情報伝達の基本は「5W1H」
患者さんの状態は毎日変化します。看護は24時間休みなく続くので、次のシフトの人への引き継ぎや看護師全員のチームワークが最も重要です。そのすべてのカギを握るのが情報共有です。ここでは「報連相」をスムーズに行うために欠かせない「5W1H」について説明します。
報連相のヒント「5W1H」
自分の考えや状況を相手に伝えようとする時に、誤解されたり何度も聞き返されたりして「いいたいことが伝わっていない」と感じたことはありませんか。
人はそれぞれ考え方も違えば、価値観も違います。そのため、上手くコミュニケーションをとるのは簡単ではありません。自分のいいたいことを相手に理解してもらうために有効なのが「いつ(when)」「どこで(where)」「誰が(who)」「何を(what)」「なぜ(why)」「どのように(how)」からなる「5W1H」です。
「いつ(when)」はその名の通り、時間や期間、期限を指します。仕事には期限があるので指示を出す際には「いつ」を明確にしましょう。そうすることで、指示を受けた人も時間を意識して計画的に行動するようになります。
「どこで(where)」は場所を示す言葉です。どこで行うかを明確に伝えましょう。
「誰が(who)」は人のことを指します。誰が、誰と行うのかを明確にするのがポイントです。この部分が明確になっていないと「誰かがやるだろう」となってしまい、結局誰も作業していなかったということにもなりかねません。明確にすることで「~だろう」というすれ違いを防げます。
「何を(what)」は対象物や内容のことを指します。何のための指示なのかをしっかり伝えることでミスを防ぐことができます。
「なぜ(why)」は目的や理由のことです。目的を明確にすることで仕事の質が向上しますし、相手の意図とすれ違うこともありません。
「どのように(how)」は何かを行うための方法や手段のことです。どうやって行うのかが明確になっていればその後の行動が具体的になり、ミスも減少します。
事実を客観的に伝えよう
情報を正確に伝えるためには個人的な意見を交えず、事実を客観的に伝えなければなりません。5W1Hに基づいて事実を伝えると相手もわかりやすいでしょう。その際に誰もが理解できる言葉や表現を使うようにしてください。口頭でのコミュニケーションはもちろん、看護記録にもいえることですが、専門用語や難しい表現を使っても相手に伝わらなければ意味がありません。チームには経験の浅い人からベテランまでさまざまな経歴や知識を持った人がいます。「この程度のことは共有しなくてもいいだろう」「専門用語で書いておけばすぐ理解してくれるだろう」というように自分にとって些細なことでも他の人には新たな発見だったりもします。「相手は知らないかもしれない」ということを念頭に置いて、わかりやすく伝えるように心がけましょう。