
定着させるためにできること
報連相は、医療の現場で看護師がより良い安全かつ確実に仕事を行ううえで欠かせないことです。そのためには、報連相を定着させる必要があります。ここでまとめた3つのポイントを意識、定着を図りましょう。
メモを取る
看護師が現場で報連相を定着させるためには、メモを取る習慣付けが大切です。患者さんの安全を守るために、医療現場での報連相は必要不可欠なコミュニケーションです。しかし、初めて働く現場では、慣れない環境や業務の多忙さから報連相がうまくいかない場合もあるかもしれません。そのような際に、メモを取る習慣を身につけるとスムーズな報連相を実現しやすくなります。
特に、忙しい場面や報連相に慣れないうちは、焦って言葉が出ないこともあるでしょう。そのような時でも、事前にメモを取っていれば落ち着いて内容を確認でき、該当のシーンを思い出すことも可能です。箇条書きでも良いので、どのようなシーンでどのようなことが起きたのか、患者さんの容態に変化はあったのか、医師の指示はどのような内容だったのかなど、重要な事項をメモしておきましょう。また、メモを見返すことで自身の行動の振り返りができ、改善点の発見にも役立ちます。日頃からメモを取る習慣を身につけることで、質の高い報連相を実現し、患者さんにより良い医療を提供できるようになります。
研修も有効
質の高い報連相を、看護師全員が共通の認識を持って行えるようにするためには、研修を通して学ぶ機会を設けることが有効です。報連相の基礎を学ぶ研修を実施することで、新卒看護師だけでなく、経験豊富な看護師も改めて基本の振り返りができます。
職種や業種によって報告すべき内容や事例などは異なりますが、報連相の土台となる部分は共通しています。5W1Hを意識して正確に情報を伝える、緊急性の高い場合は簡潔に要点をまとめて伝える、報告を受けた側が適切な判断を下せるように情報を提供するといった内容は、職種を問わず共通認識として覚えておく必要があるでしょう。これらの基礎をしっかり理解することは、報連相を習慣づけるための一歩となります。研修を通して報連相の具体的な方法や重要性を再認識することで、看護師一人ひとりが質の高い報連相を実践できるようになり、ひいては医療の質の向上も実現できます。
環境づくり
個人個人がどれだけ報連相の重要性を理解していても、実践しやすい環境がなければ、定着することは難しいでしょう。報連相は、周囲の協力や理解があって初めて効果的に機能するのです。
報連相を実践しやすい環境づくりをする上で重要なのは、チーム全体の雰囲気です。上司や同僚など誰もが慌ただしく余裕がない現場では、報連相自体が後回しになりがちです。または、報連相を実践できる人とできない人で差が出てしまい、チームの結束力が低下する可能性もあります。
報連相がしやすい環境づくりのためには、まず心に余裕を持つことです。余裕がない時こそ、報連相によって情報を共有し、協力して業務を進めましょう。また、報連相を実践してくれたことに対する感謝の気持ちを伝えることも重要です。「報告ありがとう」「連絡をもらえて助かった」といった言葉をかけると報連相しやすい雰囲気が広がり、定着しやすくなります。